別　名 − 所在地 茨城県ひたちなか市武田 築城者 武田義清 築城年 平安時代末期 廃城年 天承元年（１１３１） 現　状 山林 遺　構 − 移築建造物 − 再建建造物 主屋・納屋・厩 史跡指定 − 評　価 　甲斐武田氏の発祥地とされる常陸武田郷の武田館跡である。源義光は長男義業を佐竹郷に、三男義清を武田郷に配置し、義清は土地の名を名乗って武田冠者と称した。 　義清と長男清光は周辺の豪族と領地の境界を争い、平清幹の嫡男大掾盛幹と敵対したが、朝廷へ訴えられた結果、甲斐市河荘へ配流され甲斐武田氏の祖となり、子孫は甲斐守護として血筋を伝え、戦国時代には名将武田晴信を輩出した。 　義清と清光父子が居住した居館は武田台地の突端を占め、武田溜と呼ばれる水利を得た土地にあったとされるが、平安の昔に途絶えた館跡なので正確な位置は特定されていないが、武田溜の西側が有力視されている。 武田館跡推定地 湫尾神社 復元　武田氏館 主屋 厩 武田義清と清光父子 　久しぶりに水戸市の城を訪ねた。調べてみると２０年ぶりであり、水戸市の周辺を通過することはあっても、水戸市内を訪ねることは２０年の長きに亘ってなかった。水戸城もずいぶんと様変わりしており、大手門や隅櫓が復元されて見どころが増えていた。 　水戸城を見終えて水戸駅へ着くと、ちょうど高萩方面の常磐線が待っていた。慌てて飛び乗りひとつ先の勝田駅へと向かった。勝田駅で降り立ち武田館へ向かおうとしたが、赤塚駅を起点に河和田城、見川城を見てから偕楽園まで歩き、そこから水戸城まではバスを利用したが、広大な水戸城を見て回るのにかなり消耗していたので、武田館まではタクシーを利用した。 　運転手に武田館へと告げたが、場所がわからないという。スマートフォンを見ながら道順を教え、近くまで来ると武田館への道標があったのですんなりと着いた。ずっと地元で暮らしているのに武田館を知らなかったと恐縮されていたが、有名な館でもないので無理もない。降車するときには「とても勉強になりました」と笑って見送ってくれた。 　最初に復元された武田館を訪れた。まさかこんなに狭いわけはないだろうが、屋敷門から厩が見えるあたりは良い雰囲気である。主屋には展示物が飾られ、武田義清と清光父子の等身大の人形が展示されている。無料なのはとてもありがたく、開館日を選んで良かったと思う。 　それから隣接する湫尾神社を訪ねたが、ここもまた館跡の有力な候補地と考えて良いと思う。参道の脇には甲斐武田氏発祥の地と刻まれた石碑が建っていた。神社から常磐線の線路を渡った台地先端に強烈な藪に覆われた土地があるが、このあたりが武田氏の館跡とされている。奥まで立ち入ることはできないため武田溜を見ることは叶わなかったが、那珂川を見下ろす絶好の地という感じはする。 ＪＲ常磐線「勝田」下車　徒歩４０分 武田氏館案内板 2025/12/13