別　名 − 所在地 茨城県ひたちなか市勝倉 築城者 平井明綱 築城年 嘉禄２年（１２２６） 廃城年 天正１８年（１５９０） 現　状 勝倉小学校 遺　構 土塁 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　勝倉城は嘉禄２年（１２２６）に平井越後守明綱が築いた城とされる。その後は常陸大掾氏の一族吉田氏が勝倉台館を居館とし、その末裔の勝倉氏が勝倉城を居城としたという。応永元年（１３６８）には鹿島神宮大祭の使役を大掾氏に代わり勝倉氏が務めたという記録がある。 　江戸氏が水戸城主となると勝倉城は飯島七郎の居城となったが、天正１８年（１５９０）に豊臣秀吉が小田原の北条氏を討滅すると、常陸国を領地として安堵された佐竹義宣が水戸城へ侵攻を開始し、義宣の父義重は別動隊を率いて勝倉城へと迫った。江戸氏は重臣の谷田部通直を派遣し、両軍は勝倉台で激戦を繰り広げたが佐竹軍の勝利に終わり、谷田部勢の援軍として加勢した勝倉城主飯島縫殿は討死し、勝倉城は落城の末に廃城になったという。 勝倉城 案内板 土塁 主郭　搦手口 主郭　土塁 土塁 　武田館から台地の裾を歩いて勝倉城へと向かった。徒歩で移動しても１０分程度の距離である。道中はのどかな風景が広がり歩いていても気持ちの良い道だった。そこから勝倉城へは道路を横断しなければならないが、車がひっきりなしに通るので信号まで坂道を上がったが、これが往時の勝倉城の堀跡である。 　城跡は大きく分けて３つの曲輪で形成されているが、ほとんどが勝倉小学校の敷地となっており、独立した曲輪としての形は失われている。校門の脇には解説板があり、昔から見慣れた復元イラストが描かれていた。校庭に沿って伸びるのは土塁だと思うが、造成したときの土かもしれず断定はできかねた。 　校庭では２人の児童が遊んでいるだけだったが、中に立ち入ることは遠慮して再び堀跡の坂道を下り、主郭がある台地の裾を歩いた。しばらく歩くと小学校へ通じる坂道があるが、ここが搦手口ということである。さらに歩くと鳥居と石段があるので登ってみたが、小さな富士神社が土塁の上に祀られている。この土塁は古墳ということだが、主郭の物見台ともされている遺構である。台地縁にも土塁が残るが、これが勝倉城の遺構のすべてということになる。事前に得ていた知見通りの遺構だったが、探索する時間はとても楽しかった。 ＪＲ常磐線「勝田」下車　徒歩４０分 日本城郭大系／新人物往来社・勝倉城跡案内板 2025/12/13