別　名 − 所在地 東京都青梅市今井 築城者 今井氏 築城年 室町時代 廃城年 − 現　状 山林 遺　構 郭・土塁・空堀 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 青梅市指定史跡 評　価 　 　 　今井城は室町時代に今井氏によって築かれたという。今井四郎左衛門尉経家が城主だったと江戸時代の地誌は伝えているが、今井氏の出自は明らかではなく児玉党の今井氏とは距離に隔たりがあるので関連はなさそうである。地域的に考えれば西党にゆかりのある武士ではないかと思うが、西党の系図をたどっても今井氏の名は見当たらない。 　今井氏の家系は天正年間（１５７３〜９２）に北条氏によって滅ぼされたとされているが、発掘調査では古い墳墓の上に土塁が構築されたことが明らかとされ、伝承よりも古く室町時代以前に城が築かれていた可能性があるらしい。北条氏の支配権がほぼ固まりつつあった時代に小土豪の今井氏が討滅されたとは考えづらく、もう少し前の扇谷上杉氏が北条氏により武蔵を追われた頃に今井氏も滅んだのではないかと思われる。片倉城や深大寺城との類似性からも扇谷上杉氏かその家臣が、廃された館跡を利用して新たに城を築いた可能性は高い。 今井城 三の郭　土橋 三の郭 二の郭　空堀 二の郭　土橋 二の郭 大手　土塁 大手　土塁 主郭　空堀 主郭　空堀 主郭　空堀 主郭 主郭　土塁 主郭　空堀 主郭　空堀 　今井城はまだフイルム式のカメラを使用していた頃に何度か訪れているが、それがいつのことかはもう覚えていない。久しぶりに再訪したときに改めて遺構がよく残る城だという印象を持った。青梅市は優れた遺構を残す城跡が数多くあり、訪れるたびに新たな発見がある。今井城も久しく訪ねていなかったこともあり、新調したカメラの操作に慣れることも兼ねて１２年ぶりに訪れることになった。 　久しぶりに訪ねた城跡に過剰な整備が施され、せっかく訪ねても興ざめしてしまうことはよくあるが、今井城は昔の姿を保ち下手な整備がされることなく中世城郭の姿を残している。何度も見ているはずなのに現地に立つと高揚感が抑えられなかった。空堀と土塁の調和が見事で童心に戻ったような気持ちで駆け回った。主郭にあった社は倒壊し残骸だけが残り、城域に城跡とはまったく関係のない看板が建てられていたのは残念だが、それ以外は最初に訪れたときと変わらぬままだった。 ＪＲ八高線「金子」下車　都バス「青梅駅前」行で「金子橋」下車　徒歩１０分 日本城郭大系／新人物往来社 2007/01/25・2019/01/18