別　名 高山城 所在地 東京都八王子市館町 築城者 高山時貞 築城年 − 廃城年 − 現　状 宅地 遺　構 − 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　新編武蔵風土記稿では高山を高山四郎時貞が居住した跡としている。付近には今も殿入という地名が残り、城館の存在をそれとなく伝えているが、高山氏の事績はそれ以外には何も伝えられておらず、はたして本当にこの地を支配した武士なのか疑問が残る。高山氏と言えば秩父党高山氏が浮かぶが、時貞という名乗りからまったく別の一族と考えられる。江戸時代末期には土塁がよく残り、多摩ニュータウンの開発前までは遺構の一部が残っていたというが、台地上はびっしりと住宅が建ち並び往時を偲ぶことはできない。 　八王子市の城館はほとんど訪れていたが、高山四郎時貞館だけは遺構もなく、ゆかりの寺社などもないことから後回しにしていた。何となく喉に小骨が刺さったような気分だったので、残暑が残る中を訪れてみることにした。 　館があったとされる場所は館町団地が造成された丘上とするのが一般的である。台地裾もバイパス建設でさらに工事が行われている最中だった。駅からも遠くお世辞にも便利とは言えないような土地だが、航空写真を見ても驚くぐらいに住宅が密集している。殿入中央公園まで歩いてみたが、当然のように何も残されてはいないし、新興住宅地なので土地に伝わるような話すらもない。予想通りの結果となったわけではあるが、これでもうここには来なくて済むと思えば気楽にはなった。 京王高尾線「狭間」下車　徒歩４０分 日本城郭大系／新人物往来社 2021/09/22