別　名 − 所在地 東京都福生市熊川 築城者 − 築城年 − 廃城年 − 現　状 真福寺・八雲神社 遺　構 − 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　福生市熊川には内出という地名が残り、内出は砦などと同義の城館地名であることから、城郭の存在が示唆される。中世の福生は武蔵七党の西党平山氏が支配していた土地であり、付近の寺院には鎌倉時代から南北朝時代にかけての板碑が残されている。 　熊川の内出はもっと後年の城館と思われ、多摩川の渡河地点を抑える観点から北条氏が砦が構えた可能性は高いと思われる。真福寺付近では中世の銭貨が大量に出土しており、相当な力を持つ武士が存在していたのではないかと考えられているらしい。近世には旗本田澤氏が熊川内出を知行地としており、真福寺には田澤正忠の墓が残されている。正忠は甲斐武田氏の旧臣で天正１０年（１５８２）の武田氏滅亡後に徳川家康に召し出されて、天正１８年（１５９０）に家康が江戸城主となったときに熊川内出で４００石を与えられている。 熊川内出付近 八雲神社 田沢氏墓所 　福生市に城館はないものと思っていたが、内出という地名を持つ土地があり、ここに城館が構えられていた可能性があるらしい。懇意にさせて頂いているしろうたカフェさんが腰痛で苦しんでいたので、地元で蓬莱の豚まんを買い込み陣中見舞いへ参上することにした。普段なら拝島から青梅線で牛浜まで乗車するのだが、天気も良かったので熊川の内出へ立ち寄ることにした。 　遺構などはもちろん残されてはおらず、住宅地が広がるだけだったが、多摩川を挟んだ対岸には二宮城や法林寺館があり、その向こうには高月城が控えている。考えてみるとなかなかの要衝でもあり、ここに城館を構える理由は十分に納得ができた。ちょうど内出の中心と思われる場所には八雲神社と真福寺があり、真福寺の境内には近世の領主である旗本田澤氏の墓所があった。これだけでも訪ねる値打ちがあったというもので、ここから牛浜までのんびり歩くことにした。 ＪＲ青梅線・五日市線・西武拝島線「拝島」下車　徒歩１５分 Ｗｅｂサイト／福生市ホームページ 2025/02/10