別　名 鷺山城 所在地 千葉県成田市下方 築城者 馬場胤重 築城年 鎌倉時代 廃城年 天正元年（１５７３） 現　状 山林 遺　構 郭・土塁・空堀 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　公津城は鎌倉時代に馬場五郎胤重が築いたと伝わり、南北朝の争乱期には兄の千葉貞胤を援けて戦功を挙げたという。その後も馬場氏の居城として家臣の円城寺氏らも公津城に移り住んだ。その名残りで今も城下には円城寺氏の末裔が居住されている。 　室町時代には千葉氏宗家の隠居城として千葉輔胤、孝胤、昌胤が本佐倉城から公津城へ入った。戦国時代になると双子の弟で千葉氏当主となった邦胤との折り合いを欠いた千葉良胤が公津城に幽閉されたという。良胤は反北条氏だったため天正元年（１５７３）に北条氏の軍勢が公津城を攻めたが、その際に良胤は奥州へ逃亡し公津城は廃城となった。 公津城 大手虎口 三の郭　土塁 三の郭　土塁 二の郭　城址標柱 二の郭　土塁 二の郭　虎口 腰曲輪 空堀 主郭 主郭 主郭　虎口 主郭　土塁 主郭　土塁 主郭　土塁 　この日は実に１６年ぶりに成田市の城館を訪ねた。中でも公津城は訪れてみたい城のひとつだったので、この城を中心としていくつかの城を回った。京成成田駅から寺台城を訪ねて、そこからは延々と歩きながら公津城へ着いたときには１１時近くなっていた。 　標柱も設置されているほどの城だから楽に登れるだろうと思っていたが、北から回ってみても入口がない。仕方なく南へ反時計回りに迂回してみたが、やはり公津城への道標は見当たらず、仕方なく直登を開始しようと思っていたところで人と出会った。さすがに地元の男性だけあって公津城のことはよく知っており、城址への道についても細かく教えてくれたが、実際に入口付近まで来てもどのようにたどり着いていいのかわからなかった。そこへまた運よく地主の男性が現れて「俺ん家の裏を通れば道があるよ」と教えてくれた。 　小高い丘なので登るのに時間はかからない。巨大な土塁に守られた虎口を通り抜けるとすぐに主郭の城壁が拡がり、登り詰めると主郭の虎口と空堀が出迎えてくれた。主郭は最後に取っておこうと思い、標柱と妙見神社のある二の郭を見てから三の郭へと進んだが、そこから先は藪がひどくなり、また土取り跡が広がるので引き返して主郭へと向かった。 　思っていた以上に広々とした主郭は縁に低い土塁が廻る。虎口付近の土塁は高く積まれていて迫力があった。由来あり気な石碑が厳かな雰囲気とともに竹矢来で守られていたが、この由来まではわからなかった。ひと通りを見終えた正直な感想は訪ねて良かったということである。一部で土取りが行われたためにその全容までは残っていないが、主郭と二の郭だけでも存分に楽しめる城だった。 京成本線「宗吾参道」下車　徒歩４０分 日本城郭大系／新人物往来社・房総の古城址めぐり／有峰書店 2025/01/18