別　名 − 所在地 山梨県大月市初狩町中初狩 築城者 − 築城年 − 廃城年 − 現　状 宅地 遺　構 − 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　和光屋敷についての伝承は残っておらず、正確な場所ももうわからなくなっているが、推定されるのは笹子川と唐沢川の合流地点付近である。名もなき土豪や地頭の屋敷か、街道監視のための番所が置かれたか、あるいは集落の長が居住した屋敷跡と思われる。 和光屋敷 中初狩の石塔群 伝小山田信茂の首塚 　甲斐の山城と館を参考に訪れた場所だが、伝承も途絶えてしまい正確な位置すら特定できない状況だった。唐沢川を渡った付近が地の利を得ているようにも思えるが、これについても自分の想像でしかない。 　１１年ぶりに和光屋敷を訪ねてみた。前回と同様に天候には恵まれず、大月市は曇り予報だったが、朝からずっと雨が降り続いた。以前に来たときと同じ場所を訪ねたわけだが、今回は別の着目点があったための再訪である。屋敷跡と目される場所には石塔がいくつか建てられている。これが和光屋敷と関連があるものか、何かしらの伝承を伝えているものなのかはわからない。台地へ上がってみると二段で形成されていたようにも見える。南側から回り込んでみたが、農地の一段下にテラス状の平場が見られる。 　和光屋敷をひと通り見終えたあとは、もうひとつの目的となる小山田信茂の首塚へと向かった。途中で道がわかりづらくなるが、細い坂道を登り詰めたあたりで道が分岐するので、右側へ降りていくと中央線の線路を潜って再び登り坂となる。首塚の道標に従い暗くじめじめした杉木立の下を歩いていくと小山田信茂の顕彰碑が建っていた。 　小山田信茂は武田勝頼を裏切って滅亡へ追いやった武将として後世の評判は良くないが、郡内地方では領内を織田軍の蹂躙から救った武将として慕われている。今もその汚名を濯ぐために研究を続けられている人もいる。どのみち岩殿城へ無事に入っても、岩櫃城へ逃げ込んでいても勝頼の命運はすでに尽きていただろうし、今回はじめて目にした信茂の顕彰碑を見てその思いを強くした。 ＪＲ中央本線「初狩」下車　徒歩２０分 甲斐の山城と館／戎光祥出版 2014/11/05・2025/10/16