別　名 − 所在地 山梨県南アルプス市東南湖 築城者 奈胡義行 築城年 永暦元年（１１６０） 廃城年 建仁３年（１２０３） 現　状 農地 遺　構 − 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 南アルプス市指定史跡 評　価 　逸見清光の十男として生まれた奈胡十郎義行は、永暦元年（１１６０）に奈胡荘を拠点としたとされる。治承４年（１１８０）には甲斐源氏の一員として平氏追討の合戦に参戦し、富士川の戦いでは平維盛を大将とする平氏の大軍を撃破した。 　鎌倉幕府が成立した後、甲斐源氏の多くが源頼朝によって粛清されたが、義行は上洛した頼朝の随兵に選ばれるなど、その嫌疑は及ばなかった。その後は奈胡荘へ戻っていた義行だが、建仁３年（１２０３）に鎌倉幕府による追討を受け討死したとされる。こうして奈胡氏は滅んだが、義行の子義継は生き永らえ米倉氏の祖となった。 　釜無川と滝沢川に挟まれた田園地帯にブロック塀で囲まれた奈胡十郎義行の墓があり、南アルプス市の史跡案内板が設置されている。このあたりに奈胡氏の居館が構えられていたことは確実だろう。 　義行の墓以外には何も残されていないが、その佇まいはなかなか様になっている。このあたりは河川に挟まれているため、度重なる水害によって館跡の遺構は早くに失われてしまい、地割の痕跡すら残していないのも無理もない。しかも鎌倉時代が始まって早々に滅んでしまった居館でもあり、その伝承地すらも歴史に刻まれる暇がなかったのだろう。 ＪＲ身延線「東花輪」下車　南アルプス市バス「竜王」行で「カインズ甲西店」下車　徒歩１５分 甲斐の山城と館／戎光祥出版・奈胡十郎義行の墓案内板 2025/01/03