別　名 − 所在地 山梨県南アルプス市大師 築城者 跡部勝資 築城年 戦国時代 廃城年 天正１０年（１５８２） 現　状 了泉寺 遺　構 − 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　武田晴信と勝頼の二代に亘って仕えた跡部大炊介勝資の屋敷跡である。跡部氏は信濃の守護大名小笠原氏の出身であるが、上杉禅秀の乱へ加担して武田氏が一時的に衰退した時代に守護代として甲斐へ入った。武田信昌が跡部景家を破り、守護としての権威を取り戻す過程で跡部氏は衰退した。 　甲斐で生き残った跡部一族は武田氏の家臣となり、勝資は武田晴信に仕えて外交と内政の両面で活躍し、彼の名が残る朱印状の多さから武田家中でも重く用いられた官僚だったことがわかる。天正１０年（１５８２）に斜陽を迎えた武田勝頼が天目山へ逃亡を試みると、勝資も最後まで付き従い主君と共に自害したと伝わる。小説や映画では長坂虎房と並び血気に逸る勝頼を焚きつけて、歴代の重臣たちを蔑ろにして主家の滅亡を早めた人物として描かれているが、実際には忠実で有能な行政官僚であった。　 　甲斐への旅もそろそろ帰途へ就こうとする頃に立ち寄ったのが了泉寺だった。映画やドラマで武田勝頼の側近として登場する跡部大炊介勝資の屋敷跡と伝えられている寺院である。 　特に何もないだろうと気楽に考えて立ち寄ったのだが、寺院の由緒に多少なりとも跡部氏のことがあればと思っていたが、勝資の屋敷跡ということを記した案内板が設置されていて驚いた。これがあるのとないのでは段違いであり、遠くまで来て訪ねてよかったと心底から思える。 ＪＲ中央本線・身延線「甲府」下車　山梨交通バス「鰍沢営業所」行で「茨沢」下車　徒歩５分 了泉寺案内板 2025/01/03