別　名 古宮屋敷 所在地 山梨県北杜市須玉町下津金 築城者 津金氏 築城年 室町時代 廃城年 江戸時代初期 現　状 諏訪神社 遺　構 郭・土塁・空堀 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　古宮城は戦国時代に武田氏の家臣として甲信国境を守った津金衆の拠点であり、頭目の津金氏の居城とされる。津金氏は甲斐源氏と同一の祖先に繋がる佐竹氏の一族であり、文明年間（１４６９〜８７）に佐竹薩摩守胤義と美濃守胤秀父子が、武田信昌の招きで甲斐へ移り住み、拠点を津金と定めて苗字も津金氏を名乗った。 　前述のように甲信国境の警備に従事した津金衆は多くの支流を出したが、天正１０年（１５８２）に武田氏が滅んだ後は徳川家康に従い、天正壬午の乱では北条方の獅子吼城に夜襲を敢行し、見事にこれを落城させた。その後、津金氏は尾張徳川家に仕えたため故郷を離れた。 古宮城 城址碑 諏訪神社 土塁 空堀 土塁 曲輪 曲輪 津金学校 　獅子吼城を夜襲で落とした津金衆の本拠地である古宮城はどうしても行きたい城だった。電車とバスの乗り継ぎでは行きづらい場所であり、行くことはできても帰りの脚がなくなりそうな土地である。今回は車で訪れたので帰りのことは気にすることなく、のんびりとした散策ができた。 　古宮城の前には旧津金小学校跡のグラウンドが広がる。とても清々しい風景だったが、過疎の集落で廃校を見ると何となく物悲しい気持ちになる。何十年もの間、この場所は笑顔と嬌声で溢れていたわけだが、それはもう永遠に戻ってこない。秩父や茨城でも同じような光景を見たが、学校の雰囲気が残っているだけ余計に悲しさがこみ上げる。 　諏訪神社の階段を上がると城址碑が建ち、境内の西側に土塁と空堀が残っている。往時の縄張りは明確にはわからないが、津金学校を含む東側の一帯までが城域だったことが窺える。境内は北側がうず高く盛り上がっているが、神社を建てるために南側を削って均したのかは不明であり、元々がこういった地形であったのかもしれない。残る遺構はわずかであっても充実感が残る城跡だった。 ＪＲ中央本線「日野春」下車　北杜市バス「大和公民館」行で「御所公民館前」下車　徒歩５分 甲斐の山城と館／戎光祥出版 2025/12/18