別　名 − 所在地 静岡県裾野市葛山 築城者 御宿氏 築城年 鎌倉時代 廃城年 天正１０年（１５８２） 現　状 宅地 遺　構 − 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　御宿氏は駿東の国人領主葛山氏の一族である。葛山二郎惟忠の子惟重は建久４年（１１９３）に源頼朝が富士野藍沢での巻狩をしたときに宿を提供し、それからは御宿殿と呼ばれるようになり、惟重の子重朝が御宿五郎と名乗ったのが初見である。 　戦国時代には御宿友綱が葛山氏に仕えて、葛山氏元の養子となった武田信玄の六男信貞の後見人を務めた。天正１０年（１５８２）の武田氏滅亡後は北条氏に仕えたが、天正１８年（１５９０）に北条氏が滅ぶと上州藤岡で隠棲したという。友綱の子が有名な御宿勘兵衛政友であり、１万石という高禄で結城秀康に仕えたが、秀康死後に松平忠直と不和を生じて浪人し、豊臣秀頼の招きに応じて大坂城へ入った。慶長１９年（１６１４）の大坂冬の陣では本町橋の夜討ちで武名を轟かせたが、翌年の天王寺の戦いで政友の首に懸賞を賭けた旧主忠直の軍勢に討ち取られた。 　葛山館とその家臣団の屋敷から大久保川を隔てた南側に御宿氏の屋敷跡はある。周囲よりやや微高地にあるが、宅地と草原に変貌しており遺構は見られないようだった。民家の庭先には朱塗りの屋敷神と鳥居があり、これが何となくだが御宿氏の屋敷跡ということを連想させる。大坂の陣における御宿勘兵衛の働きは爽快感があるが、その故地を訪ねたことは遺構はなくとも嬉しいことだった。 ＪＲ御殿場線「裾野」下車　市内循環バス富岡深良循環で「富岡中学校」下車　徒歩４０分 葛山地区観光案内板 2024/12/25