別　名 八代山城 所在地 静岡県磐田市社山 築城者 匂坂則実 築城年 寛和２年（９８６） 廃城年 − 現　状 山林 遺　構 郭・土塁・堀切 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 磐田市指定史跡 評　価 　 　 　社山城は寛和２年（９８６）に藤原友実の長男匂坂十郎則実が築いたという伝承がある。実際にそこまで遡ることはないだろうし、戦国時代には二俣氏が社山城に拠っていたと考えられている。 　文亀年間（１５０１〜０３）には今川氏と斯波氏が抗争を繰り広げた舞台となり、その結果、社山城は今川氏の支配下に置かれることとなった。永禄３年（１５６０）に今川義元が桶狭間の戦いで討死すると、今川氏から独立した徳川家康が遠江への侵攻を開始し、社山城は徳川氏の軍勢が駐屯したらしい。 　元亀３年（１５７２）には武田信玄の侵攻により二俣城攻めの拠点として用いられており、今川氏、徳川氏、武田氏にそれぞれ改修を加えられた可能性がある。信玄没後も武田勝頼は高天神城を攻めるなど、遠江へ兵を出しているが、天正元年（１５７３）に徳川家康が社山城を改修したという記録を最後に歴史には登場してこない。 社山城 案内板 北曲輪　土橋 堀切 主郭 主郭　土塁 堀切 二の郭 二の郭　土塁 堀切と土橋 三の郭 堀切 　三岳城の踏査はかなり日が傾いた時間帯で、下山するときには周囲が暗くなっていた。それでもまだ薄明りは残っていたので、旅の最後を飾るべく社山城へと向かったが、ありがたいことに車で城内まで乗りつけることができ、時間の短縮を図ることができた。 　画像では明るく見えるが実際には肉眼での観察が難しいほど暗い時間帯である。往路ではある程度見えた土橋も帰りは真っ暗でほとんど見えない状態だった。とりあえず主郭へと急ぎ、案内板の地形を頭に叩き込んで二の郭へと向かったが、大土塁の迫力は暗い中でもよくわかった。さらに進むと土橋を伴う堀切が残り、その向こう側には縄張図に表記はないが三の郭となる。ここまで着いたときにはもう漆黒の闇だった。 　かろうじて木に掴まりつつ歩くが、時々蜘蛛の巣が顔にかかって難渋した。結局はその先の堀切を見たところで打ち切りとなり、支尾根に残る遺構までは観察することができなかった。 　時間的な制約でややもすれば消化不良となったが、前々から来てみたい城のひとつだったので、中心部を見て歩けただけでも十分だった。それにしても最近のスマートフォンのカメラ性能には驚かされた。ほとんど一眼レフと遜色がなく、暗い場所では一眼レフよりも手振れが少ないように思う。これでは既存のカメラメーカーが一眼レフカメラから撤退するのも無理はないなどと思いつつ、真っ暗闇となった社山城から下山した。 天竜浜名湖鉄道「敷地」下車　徒歩４５分 日本城郭大系／新人物往来社・東海の名城を歩く／吉川弘文館・社山城跡案内板 2025/11/06