別　名 − 所在地 静岡県袋井市浅名 築城者 小笠原氏 築城年 戦国時代 廃城年 − 現　状 山林 遺　構 郭・土塁・堀切 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　呑吉山砦は日本城郭大系や静岡県の中世城館などにも登録されておらず、袋井市教育委員会による馬伏塚城とその周辺の調査で発見された山城である。馬伏塚城の居館部から北へ続く尾根を登ると、薄暗く細い山道を経て呑吉山の山頂へと着く。今でこそ眺望は利かないが、当時は馬伏塚城の詰め城としての機能を有し、平時は望楼としての役割を帯びていたと思われる。 呑吉山砦 左へ進むと山道へ 登山道 土橋と堀切 堀切 土塁 土塁 主郭 主郭 　馬伏塚城の遺構をひと通り見終えたあと、そこから北へ続く山が気になった。地図には呑吉山砦と表示されているが、遺構の有無はまったくわからない。不安もあったが、山へ登ることができそうな道があるのでそのまま突き進むこととした。 　呑吉山はドンキチヤマと読むらしい。漢字の表記も読み方も酒に酔った狸が腹鼓でも奏でているようで、楽しくなってきるような響きであるが、どのような由来があるのかはわからない。 　この日は概ね晴天に恵まれたが、このあたりから少し雲が多くなり、山道は暗く心細くなるような頼りない道である。それほど比高差があるわけでもなく、山頂への距離も長くはないので竹に掴まりながら登っていくと、東側に曲輪らしい地形が見えている。そのまま進むと土橋と堀切が残っており、山城としての手応えを感じることができた。墓地の周囲には土塁が残り、そこから程なく山頂へ至るが、ここは土塁も堀切もなく単なる平坦地があるだけだった。 　小規模ではあるものの、それなりに山城としての遺構を備えており、登ってみたのは正解だった。そのまま引き返すことなく道が続いているので歩いていくと、呑吉山砦の東側へ下る道があった。当初の予定では馬伏塚城からバスの路線に沿って袋井駅を目指すはずだったが、まったく逆方向に出てしまったので、平芝陣屋を経由して袋井駅へと向かうことにした。 ＪＲ東海道本線「袋井」下車　秋葉バス「大東支所」行で「芝八万前」下車　徒歩２５分 日本城郭大系／新人物往来社・馬伏塚城跡案内板 2025/12/09