別　名 − 所在地 静岡県袋井市浅羽 築城者 米津田利 築城年 万延元年（１８６０） 廃城年 慶応３年（１８６７） 現　状 山林 遺　構 土塁・空堀 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　平芝陣屋は万延元年（１８６０）に旗本の米津周防守田利が、遠江国城東郡、山名郡、三河国宝飯郡で４千石の知行を与えられて構えた陣屋である。田利は通称を小太夫と称し、江戸の火事場見廻や火消役を務めた。陣屋は７年後の慶応３年（１８６７）に廃止され、３年後の明治３年（１８７０）に旧幕臣の荒井三喜三郎信敬が江戸勤めだった幕臣を引き連れ、平芝陣屋の跡地に居を構えて茶畑の開墾に取り組んだ。 平芝陣屋 石碑と案内板 空堀 　日帰りで遠江横須賀城を訪ねた。その後はバス路線に沿っていくつかの城館を訪れたが、馬伏塚城を見終えたあとに呑吉山砦に立ち寄ったことで予定を変更せざるを得なくなった。山道を戻ることはせず、そのまま反対側の麓へ下ったので、バス路線からは大きく遠ざかり、予定していた加賀爪氏の居館などはあきらめて袋井駅を目指すことにしたが、その途中で立ち寄ったのが平芝陣屋だった。 　平芝の交差点を東へ曲がってしばらく歩くと、陣屋跡への道標が設置されていたので場所はすぐにわかった。現地には石碑と案内板が建てられており、その歴史は案内板のおかげでとてもよく理解できたが、肝心の陣屋跡は背の高い藪で立ち入ることはとうてきできず、また私有地のため無理をして立ち入るのも憚られた。 　それとなく空堀を思わせる地形がある以外は、猛烈な藪のために全容を窺い知ることはできないが、草を刈れば土塁と空堀は残されていると思われる。わりと最近まで陣屋門も残っていたが、老朽化に対する対策も取られないまま撤去されてしまったのは残念な出来事だった。静岡県らしい茶畑が広がる光景はとても良いが、製茶農家も減っている。地方でも率先して移民政策を行う静岡県という土地柄を考えると、近い将来には太陽光パネルが並べられるような気がしてならない。 ＪＲ東海道本線「袋井」下車　徒歩４０分 平芝陣屋跡案内板 2025/12/09