別　名 岡崎ノ城山 所在地 静岡県袋井市岡崎 築城者 四ノ宮右近 築城年 室町時代末期 廃城年 − 現　状 北八雲神社 遺　構 郭・土塁・空堀 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　 　 　岡崎城は土地の土豪四ノ宮右近の居城と伝えられており、おそらくは今川氏に仕えた国人衆という存在であったと思う。岡崎城がその最盛期を迎えるのは今川氏が滅び去り、武田氏が遠江へ侵攻して徳川氏と争った時代のことと思われる。 　大方の見解が一致するのは天正２年（１５７４）に武田勝頼が高天神城を攻め落とし、これに対して徳川家康が馬伏塚城を兵站地として改修し、さらに最前線となる横須賀城を築いたときに岡崎城も改修を受けたということである。航空写真で見てもこの一帯は湿地帯で船による往来が行われていたと考えられ、岡崎城も船着場を有した一拠点としての機能を与えられていたらしい。武田氏が滅んだことで脅威が去った天正１０年（１５８２）にはその役割を終えたと思われる。 岡崎城 二の郭　虎口 二の郭　土塁 二の郭 二の郭 二の郭　土塁 空堀 空堀 土橋 主郭　土塁 主郭　土塁 主郭　土塁 空堀 茶畑による破壊箇所 案内板 　美しい横須賀城の玉石垣に魅せられたあとは、袋井駅を目指してバス路線に沿って歩いた。どうしても立ち寄っておきたかったのが岡崎城である。小規模な城ではあるが、案内板も設置されており遺構もよく残っているという前評判に惹かれた。 　道路に面した北八雲神社の境内となっているのでわかりやすかった。参道の脇に案内板が設置されているが、主郭の南面は茶畑の開墾で旧態を留めていない。神社の社殿がある二の郭の東半分はとても立ち入れないような藪だった。土橋が架かる空堀はおそらく湿地を利用した泥が堆積していたと思われ、実際に堀底へ降りて歩いてみると靴が足首まで泥に埋まった。 　主郭も虎口の土塁こそ立派だが、まともに見学ができるのは虎口周辺のみであり、あとは竹と雑木が密集して踏み入るのは事実上不可能に近い状態である。せっかくの遺構もほとんどが藪に埋もれてしまっているのは残念だが、地方の土豪の城が大勢力によって改修されたであろう姿を垣間見ることができたのは収穫だった。 ＪＲ東海道本線「袋井」下車　秋葉バス「大東支所」行で「笠原駐在所前」下車　徒歩１０分 日本城郭大系／新人物往来社・岡崎の城山跡案内板 2025/12/09