別　名 撰要寺砦 所在地 静岡県掛川市山崎 築城者 大須賀康高 築城年 天正年間（１５７３〜９２） 廃城年 − 現　状 撰要寺 遺　構 郭・土塁・空堀 移築建造物 − 再建建造物 − 史跡指定 − 評　価 　小谷田砦は天正年間（１５７３〜９２）に徳川家康の家臣大須賀康高が、高天神城攻めのために築いた砦のひとつである。この頃の遠江における康高の活躍は目覚ましいものがあり、天正元年（１５７３）に馬伏塚城を武田軍の猛攻から守り切り、翌年には小笠原信興とともに高天神城を守り、味方の援軍が得られない中で２ヶ月の籠城戦の末に開城した。 　高天神城を奪回するために家康は周辺に多数の砦を築いたが、小谷田砦もそうした砦のひとつであり、雪辱を期す康高がここに布陣したと伝えられている。天正６年（１５７８）に康高は横須賀城を築いていることから、小谷田砦はそれまでの期間における徳川勢の最前線拠点であった。 小谷田砦 撰要寺 大須賀康高墓所 曲輪 曲輪 主郭 土塁 土塁と堀切 堀切 　横須賀城のすぐ北に撰要寺という由緒あり気な寺院がある。この背後に連なる丘陵こそが小谷田砦の跡というので訪ねてみることにした。古めかしい山門を潜ると境内には大須賀氏の宝篋印塔が建ち、その脇から山への道が続いていた。 　比高差はそれほどではなく道も登りやすいが、裏山はほとんどが墓地となっている。古そうな墓石が多く、乱雑に並べられた墓石がまた歴史を感じさせてくれた。最高所が主郭ということになるのだろうが、ここも墓地となっていた。その途中にも曲輪が点在し土塁らしい地形も見られたが、主郭の背後に明確な遺構となる堀切が確認できる。堀幅はかなり広いが深さはそれほどではなく、かなり埋もれているようだった。 　この城については予備知識もなく、正確な縄張も把握しないまま登ったのだが、山中で堀切を発見できたときの喜びは、城廻りをされている方ならおわかり頂けるだろう。遺構を発見した喜びだけでなく、間違いなくここが城であるという安心感が感じられる。撰要寺の境内と裏山に残る古い墓石を見て歩くだけでも楽しい時間となった。 ＪＲ東海道本線「袋井」下車　秋葉バス「大東支所」行で「七軒町」下車　徒歩５分 撰要寺案内板 2025/12/09