所在地 長野県上田市上田原 交戦勢力 武田信玄×村上義清 年　次 天文１７年（１５４８） 現　状 石久摩神社 目標物 石碑・案内板 　諏訪と伊那を攻略した武田信玄は佐久への侵攻を開始した。当初は武田氏と共闘していた猛将村上義清だったが、佐久へ侵攻し信濃を支配下にしようとする武田軍を看過することはできず、北信濃の国人衆を糾合して信玄の前に立ち塞がった。 　天文１７年（１５４８）２月１４日に両軍は上田原で合戦となり、武田軍の先鋒を務めた板垣信方と同じく重臣の甘利虎泰が討死している。武田軍は他にも名だたる武将が討死し兵力の損失も大きかった。勝利した村上軍も３００人以上の兵を損耗し、屋代基綱や雨宮正利といった重臣が討死している。 　若き信玄にとっては初めての敗戦であり、幼少の頃から自身を一流の武将へと育ててくれた家臣を失った戦いでもあった。一度は武田氏に恭順した国人領主たちも離反するなど、武田氏の信濃経営は一時的に危機を迎えている。一方の村上義清はその後の砥石城の戦いでも武田軍に煮え湯を飲ませるなど、信玄にとっては目の上の瘤のような存在だったが、真田幸隆の活躍によりやがては葛尾城を離れて越後の上杉謙信を頼っている。 葛尾城 大日堂　村上義清本陣 上田原 石久摩神社 無名将士の墓 板垣信方の墓 　上田原古戦場は一度は訪れてみたい場所だった。まだ学生の頃に風林火山という映画を観たが、その中でも村上義清はいかにも剛勇という姿で描かれていた。一方で中村錦之介が演じる武田晴信はまだ若く軽々しい行動を取る青年武将として描かれている。それを貢献する三船敏郎演じる山本勘助の重厚感溢れる演技が見事な映画だった。 　古戦場碑が残る石久摩神社を中心に付近を散策すると無名将士の墓がぽつんぽつんと残されているのが印象的だった。最初に訪れてから１０年ほど後に再訪したときには板垣信方の墓参りをしたが、このときは愛煙家だったという信方の墓前に煙草をお供えし、自分も腰を下ろして煙草を一服させてもらったものである。 上田電鉄別所線「上田原」下車　徒歩１０分 日本合戦総覧／新人物往来社 2006/07/15・2016/04/02